2025年5月に開催された第74回日本口腔衛生学会学術大会の終了をもちまして、本学会の理事長に就任いたしました。口腔の健康を通じて人々の健康と福祉の向上に貢献するという本学会の理念を、今後も確実に推進してまいります。

「口腔衛生」という言葉は、歯科医師法や歯科衛生士法にも明記されているように、歯科に関する保健、医療、介護、福祉の基盤であり、予防や健康づくりの根幹をなす重要な概念です。本学会は、歯科公衆衛生と臨床の予防歯科学の双方を担う全国唯一の学術団体として、学術研究・教育・実践の連携を図っています。

近年は、歯科公衆衛生専門医制度の整備や「生涯28歯」の推進といった重点施策を着実に進めてきました。また、統計学や疫学に強い会員を多く擁しており、エビデンスに基づいた歯科保健政策の推進にも貢献しています。さらに、人工知能（AI）の発展にも注目し、データ解析や健康政策への応用、倫理的課題への対応にも力を入れていきます。

本学会では、研究者だけでなく、臨床の現場や地域保健に携わる専門職、多くの若手学生も活動しています。今後も、誰もが学び、発信し、つながることのできる開かれた学会として、国内外の関係者と連携しながら、社会のニーズに応える実践的な知を生み出してまいります。

本学会の活動にご関心をお持ちの方は、ぜひ学会ホームページの情報をご覧ください。今後とも、日本口腔衛生学会へのご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げます。