内容紹介
口腔疾患、特に口腔がんに対して有用な検査法に細胞診があります。しかしながら、日本では口腔がんによる死亡率が増加を続けています。これは他の歯科検診と比較し、口腔がん検診の実施率が低いためです。
このような状況を鑑み、平成24年から日本臨床細胞学会によって『細胞診専門医』という資格試験が始まりました。本書は細胞診専門歯科医を目指す方のテキストとして、また新たに臨床で口腔がん検診を行う歯科医師の方にもご活用いただけるよう、日本の口腔がんの現状から検診の実際、検査の流れ、所見の診方から細胞診断の考え方までをまとめています。症例提示では多くの写真を用い、40症例の細胞所見から疾患名を考えるつくりとしました。さらに模擬試験では所見を読み取っていくことでより実践的な力をつけていただくことができます。豊富な症例と細胞写真が口腔の細胞診に役立ち、多くの口腔がんの発見・治療につながれば幸いです。