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大会長挨拶

大会長 松久保 隆

日本全身咬合学会は、平成5年(1993年)12月11日に発足しました。第20回記念学術大会は、学会発足からちょうど15年の12月11日、12日に東京都江戸川区タワーホール船堀で開催することになりました。

1995年に発刊された日本全身咬合学会雑誌第1巻に石川達也理事長は「本学会はこの問題(咬合状態と全身の健康状態の関連性)に関連する症例の記録を残し、問題発見の糸口を辿り、理論体系や治療体系の構築に貢献することを目標にして発足した。」と記述されています。学会発足後、現在までに歯科、医科、漢方医学、カイロプラクティックなど様々な領域の臨床家や研究者が集まり多くの症例、診断方法や治療方法などについて活発な議論がなされてきました。

日本全身咬合学会の目標は、口腔と全身の健康状態の相互関係を解明し、新たな理論体系や治療体系の構築に貢献することです。一方、同じく口腔と全身の健康状態の相互関係を追及している1994年にOffenbacherが提唱した「Periodontal Medicine」(歯周医学)(歯周病と全身との相互関係を双方向的に解明する学問領野)で展開されている方法論では本学会の目標は到底解決できない内容を包含しています。すなわち、医科での領域で異常が見つからず歯科での咬合治療などによって症状が完治する症例に関する治療体系の構築であるからです。このためにはヒトの恒常性を維持するネットワークを巧妙に制御することに疾病の新たな治療戦略であるnetwork medicineといった新しい考え方の導入や臨床疫学による確証が必要と考えられます。

本学術大会では、石川達也理事長は「第20回記念講演」で今までの発足後15年間の歩みと成果を講演していただきます。また、咬合状態と全身の健康状態の関連性について理論体系や治療体系の構築のために特別講演や教育講演をその領域でご活躍の先生にご依頼いたしました。また、今大会では一般口演、ポスターのほか、テーブルクリニック形式による発表も準備させていただきます。12月年末のあわただしい次期に開催いたしますが、是非多数のご参加をいただき、活発な議論の場としていただきければと存じます。ご協力、ご支援のほどよろしくお願いいたします。

(東京歯科大学衛生学講座 教授)

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