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大会長挨拶

大会長挨拶

皆様には益々ご健勝にてご活躍のこととお慶び申し上げます。

この度、第52回日本歯周病学会春季学術大会の大会長を仰せつかり、誠に光栄に存じます。本大会は、平成21年5月15日(金)、16日(土)に、岡山市の岡山コンベンションセンターにおいて開催いたします。

今回のテーマは、「有病者・高齢者医療の中での歯周病治療の役割」といたしました。我国は世界に類をみない高齢社会に突入しており、高脂血症や高血圧症あるいは糖尿病に伴う血管病変により生じる心臓および脳における虚血性疾患の医療さらには予防が、医学的にも社会的にも重要性を増してきています。そのような社会情勢の中、多くの歯周病研究者の活躍によって、持続的で微弱な慢性感染症である歯周病の存在が、全身疾患の病態形成に関与するという多くのエビデンスが蓄積されています。さらに、平成19年には「健康国家への挑戦」と題して、今後の10年にわたる日本の健康戦略の指標となる政府の「新健康フロンティア戦略」がまとめられ、その柱の一つに「歯の健康」が組み入れられました。この指針では、とりわけ近年の生活習慣病と歯周疾患との関連や妊産婦と歯周疾患の関係等、歯・口腔の健康と全身との関連性が注目されており、食事からの健康的生活の維持・向上、介護予防、あるいは肺炎予防、そして歯周医学 Periodontal Medicine と称される領域からの新たな知見の蓄積が期待されています。

したがって、今後、我々の歯周病に関する研究と臨床の重要性が社会的にも益々クローズアップされ、当該領域の進展と社会的認知の拡大が望まれることと考えます。そこで、これまでの研究成果や歯周病診断・治療の方法論などを原点に返って学び直し、将来の高齢者医療へ向けてこれらをさらに発展させて多職種の連携を促進するような大会になることを願い、テーマを設定しました。

本大会では、歯周病に関する歯科関係者と研究者のみならず、有病者・高齢者医療のあり方に関心をもつ医師、研究者、さらにはコメディカルスタッフが一堂に会して、当該医療に関する臨床・研究の進歩を互いに共有するという有意義な機会になることを心から望みます。この学術大会が21世紀の医療の発展に些少なりともお役に立てることができれば幸甚に存じます。活発で明るい学術大会になりますように、皆様の御参加と御支援を宜しくお願い申し上げます。

平成20年11月吉日

第52回日本歯周病学会 春季学術大会 大会長
岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 教授
高柴正悟

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